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オールショパンの本日の後半プログラムは、バラード全曲。そうです、第4番のフィナーレという頂上に向けて、ノクターン9-2から登攀が始まりました。前半の白眉は、「華麗なる大円舞曲」、ワルツ第7番嬰ハ短調と第4番ヘ長調の、3曲のワルツ。後者2曲は、後半のバラードとのバランスを考慮して急遽組み入れたため、プログラムにはない。宮崎氏の幅のあるダイナミズムと巧みなペダリングでもって、この3曲のもともとの性格の相違をさらに際立たせた。ことに、第7番では、3回現れる8分音符の piu mosso の主題を、宮崎氏は3とおりに弾けわけてしまった! うかつにこの曲に挑もうとする初心者を、非情にも突き放したのでした。本番直前の曲追加は大正解でしたー。バラード4曲はそれぞれ演奏前に、宮崎氏による解説が入ることによってイメージがいやます。演奏は、緊張の糸がまったく弛緩することなくそれでいて、1・2番の激情、3番の典雅、4番の深さが、みな色つきの、具象と抽象のあわいのイメージとなって立ち現れた。そして本日のフィナーレといもいうべき4番のコーダの頂上まで登りつめたのでした。いや、ぜいたくな一夜でした。宮崎さん、ゆっくりお休みください。アンコールは、次々回12月7日のクラシックカフェで登場するヴァイオリンの河端 綾との2曲。クライスラー「美しきロスマリン」とモンティのチャルダッシュ。期待感たっぷりもたせてのお開きとなりました。 PR |
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