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サトウハチロー(1903-1973)という人はどうやらかなり波乱に富んだ生涯を送った人のようで、それを反映してか、その作品も多様である。その多様かつ多大な作品群から今回HAMORI-BEが厳選し、構成したプログラムは、前半が童謡および歌曲、後半が歌謡曲という正攻法。とはいえ正攻法に勝る戦法なし。「うれしいひなまつり」に始まり「悲しくてやりきれない」で終わる構成である、と聞けばその効果が想像できるはず。それにしても「とんとんともだち」の童心や、「お月さんとぼうや」に見るかつては確実にあって今は絶対にない無垢な想像力は、いかなるものか。今聴くとなぜ琴線に触れるのか。失ったから……。これもHAMORI-BEの戦法か。サトウハチローのいわゆる戦後歌謡は、世代を超えて日本人が口ずさむ曲ゆえ、〇〇風「 リンゴの歌」やMy「長崎の鐘」というのがあるだろう。HAMORI-BE風はここでも正攻法。オリジナルを聴いたことがなくても、その時代をはるかに過ぎても、歌自体のもつ力が分かる。こうした曲は、その「核」をとらえて歌うことができる人たちがいる限り、これからも継承されてゆくにちがいない。 PR |
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