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今回の西條八十は、野口雨情、北原白秋とともに、明治・大正・昭和を生きたという意味ではコンテンポラリーであり、当時このの「三大詩人」のうちの、いわばアンカー。なので、歌詞に加えて旋律も「モダン」です。HAMORI-BE自身による曲解説もあったが、『かなりや』の詩は、詩そのものというより概念が新しい。それは清濁の「濁」を(あくまでやんわりと)童謡に導入したところだろう。1番から3番にかけて、小さな鳥に対して「そんな殺生な」と言いたくなる歌詞が続き、しかし4番では救いがあってほっとする、という構成。4番では旋律とリズムも「軟化」してほっ。この変化をHAMORI-BEが巧みに歌い分けた。『風をみたひと』と『お菓子と娘』は前者がイギリス詩からの訳で後者はパリ情景を歌ったもので、いずれも西洋の匂いを伝える曲。初演当時はさぞ斬新であったことでしょう。この日この2曲はそれぞれ小原氏・中川氏のソロでの演奏だったけれど、プラグラムの構成のうまさとHAMORI-BEの歌に対する真摯さでもって、今にあっても当時の「西洋へのあこがれ」が漂った。後半には『蘇州夜曲』で東アジアの大陸の風が吹いた。この曲いろっんな人がカヴァーしてますね。男声デュオをライヴで聴けるなんて稀有なことでは? この歌の再現スタイルとしては、歌詞においては時代を経ていることが客観性を担保し、ゆえにフィルターを通すことなく詩情を鑑賞でき、旋律においては過剰な表現を排したうえでデュオの美しさを加味したという、きわめてピュアかつ新鮮なスタイルなんじゃないだろうか。アンコールは『浜辺の歌』で日本の海の風が吹いた。
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